「美々、たぶん、もう大丈夫だ」

優しい声で、そう言った。

「…へ?」
大丈夫って、どういうこと…?

「もう、これ以上怖い思いしなくてすむから、 待ってろ」

顔はハッキリとは見えないが、きっと…
優しい顔をしているんだと、思う。
けど…
「え、どういう…」
意味が、分らない。
先輩はなにかを探しているのか、準備室の物を あさり始めた。

「お、これでいいや」

そう言った先輩の手には、鉄パイプ。

まさか――…!