【完】First♡Love~すれ違う恋心~

「美々、とりあえず、座ろ」
穏やかな、口調。
少しだけ、怖さが和らぐ。
あたしは玲央先輩に支えられながら座った。

「美々、大丈夫か?」
「…っ、大丈、夫です…っ」
「無理すんな、バカ」
この言葉には、敵わない――…

「ふぇっ…ヒック…っ…ほ、ホントは
…怖い、です…っ」
泣いていると、先輩があたしの背中に手をまわ し、抱き寄せた。

―――え?

「へっ、せんぱ…っ」
「これなら、怖くない?」
「っ、はい…。すごく、安心できます…」
「なら、しばらく…ここにいろ」

先輩の胸の中は、 不思議なくらいに、心地良くて、 安心できたんだ――…。