「みぃ、なにしてんの?」
「クレープ食べてるの!」
「それは見れば分るよ」

じゃぁ、聞かないでよね!
なんて思ってたら、金山くんはあたしの髪をク シャッとする。
「ちょ、やめてよっ」
「ハハっ」
笑い合っている時――……

「あ、いた!ちょっと玲央!」

女の先輩が、玲央先輩を呼んだ。
「なに、沙織」
「なに?じゃないよ!早く喫茶店戻って!」
「はぁ?俺の休憩時間まだあるじゃん」
「うっさいなぁ!玲央、指名が多いのよ!明日1日休みにしてあげるから!つべ こべ言わず来なさい」

玲央先輩は、沙織と呼ばれている先輩と仲よさ そうに、話していた。
あたしの すぐ隣にいる、玲央先輩。
今、一番あたしが近くにいるはずなのに…
一番、遠く感じてしまう――…。

「分ったよ…。美々、ワリィ。つうことで俺行 かなきゃ行けねぇんだわ」
「あ、分りました。頑張ってくださいね」 「ごめんな」
「ほら、行くよ!」