「なんで、優しくするんですか…!」

こんなの、ただの八つ当たりだ。
なのに、次の言葉で、あたしは混乱した。

「美々が、好きだからに決まってんだ ろ…!!」

わけが、わからなかった。

けど、あたしの頭に浮かんだのは…
悲しそうに笑う、沙織先輩の顔だった。

沙織先輩を、悲しませないで…。

「な、に言ってるんですか…!」

あたしは、いつの間にか怒っていた。