玲央先輩は、教室を出る前にこちらを見て…

「美々、そうやって、抱きつくの…彼氏だけに しろ。彼氏、悲しむぞ」

そう、言った…。

「え、せんぱっ…」

呼びとめる前に、教室のドアが閉まった。

え、なに、どういうことなの?
『美々、そうやって、抱きつくの…彼氏だけに しろ。彼氏、悲しむぞ』

…意味が、分らなかった。

ただ、涙がとめどなく流れた。

涙は、止まることを…

知らなかった。