紅Ⅱ(クレナイ)~解き放たれる鎖~



「失礼します」


「………」



重厚なドアを開ければ、いつもの見慣れた煌びやかな生徒会室内が視界に入ってくる。


そして中を見渡すと章吾と時政先輩、それに双子の青治と朱利がいた。




鏡夜は…、いないみたい。


後は…、




「………蓮、その方はどなたでしょうか?」



思わず眉間にシワを寄せてしまった。


そして口から出た言葉は、私には似合わない丁寧口調。




多分…、ううん。


かなり私は動揺しているからなのだろう---




視線のその先にある光景を見た瞬間、物凄い勢いで私の心臓がバクバクと音をたてた。


そして私の視野ギリギリのところでは、時政先輩達が慌てふためいているのが目に入る。



でも今、問題なのは目の前のこの光景。


これは一体、どう言う事?




そう…私の視線の先は今現在、会長席に座っている蓮へと向けているのだけれど---