名前を聞いたあの日から何かと同じ車両で、同じ雰囲気。
「はぁ…」
ため息まで出てしまう。
可愛いから、毎日メロメロ…笑
犬みたいに、
構って!
とアピールするもののやっぱり空気同然に扱われる。
学校に行くと、俺の席で気持ち良さそうに寝ている親友。
「慶介(けいすけ)…」
「何ぃーー?」
ダルそうに俺を見る。
「何も無いけど…ココ俺の席」
慶介は渋々隣の席に…。
ってか、慶介隣の席じゃん?
「…空流、雰囲気変わったな…」
慶介の急な一言。
「そーかな?」
自覚は無いけど…。
「好きな奴でも出来たかっ?」
ニヤニヤッと笑いながら俺を見る慶介。
「ッ!?」
驚きで振り返った。
慶介も驚いた顔をしている。
「…いんのかよ、空流」
不貞腐れたように言う慶介。
「まーね。…全然相手にされ無いけどな…」
少し苦笑してしまう。
俺ってこんなんだったっけ?
「…へぇーって、空流が相手にされ無いってどー言うこと!?お前…誰が好きなんだよ!」
俺が相手にされないだけでこんなになるか?
「水沢有空だよ。隣の共学の…」
「水沢有空って、共学のマドンナじゃんか!」
はぁ?
共学のマドンナ?
初めて聞いたんですけど…。
「水沢有空はここらの共学のマドンナなんだよ。美人だし、可愛いし…で、すっげぇモテるんだとよ。ミスコンやって1年で初のミスコンでぶっちぎりの優勝だったらしいぞ?」
俺が何それ?…と言わなくても、勝手に説明をくれる慶介。
「知らなかった」
まぁ、今の今まで女に興味無かったし…、当たり前と言えば当たり前なのかもな…。