【更新中】キミの声、聞かせて

《もう少しこのままが良い》


可愛いお願いだな。


「樹里の好きなようにして良いよ。」


女に抱きつかれるなんて鬱陶しくて仕方なかったけど、樹里は許せる


だって、俺の好きな人だから。


「樹里、そのままで良いから聞いてな」


樹里は小さく頷いた


「俺の前では強がらなくて良い。弱くなって良いから。迷惑だなんて思うな。」


その言葉を聞いて樹里は顔を上げた


目にはたくさんの涙を溜めて。


「泣け、我慢しなくて良いから。落ち着いたら出掛けような」


樹里は安心したのか涙を流し始めた


本当は声に出して泣きたいんだろう


でも、それが出来ないから辛いんだよな


何もすることが出来なくて樹里が落ち着くまで抱きしめていた