「この子、話せないの。分かってあげてね」


……話せない?


「話せないからホワイトボードに書いて話すんだ」


寺田は何かを書いて再び向けた


《話してることは聞こえるよ》


「俺の話してること分かるの?」


《耳は正常だからね。声が出ないだけ》


と書いて微笑んだ


「転校して来たばかりだからあたしがお世話するんだ」


《冬華、宜しくね?》


「もちろん!!直樹さんからも頼まれたし、樹里はあたしの親友でしょ?」


冬華の言葉に寺田は笑っていた


冬華を見ていて分かる


寺田は冬華にとって必要なんだな。


「教室行くか。」


「あっ、うん。大翔、職員室について来て」


俺は冬華に渡された荷物を持ち職員室へ向かった