「どうした?」


樹里に聞くとある方向を指さした


そこには椅子に座った1人の女の子


良くみると泣いていた


「どうした?」


俺は女の子に話し掛けてみた


その子はビクッとしたものの泣き続けていた


《どうしたの?おはなしできる?》


樹里は女の子が読めるようにひらがなで書いていた


「ママ、いないー!!おねーちゃーん!!うわー」


お母さんとはぐれたんだな、この子


「名前、教えてくれるか?」


「かな。7さい」


かなちゃんって言うのか


《樹音と同い年みたいだね》


と書いて俺に見せる


「おねーちゃん、しゃべれない?」


《うん、ごめんね》


「ちゃんと、君が言ったことは分かってるからな」


俺の言葉に頷いたかなちゃん