―美優Side―
月詠さんが私の方へ近づいてきた。
月詠さんは私の目の前に立った。
美「月詠さん!大丈夫ですか?!」
『…ん。神崎さんは…?』
その際私は月詠さんの無事を確認する。
すると軽く返事が返ってきて、逆に心配された。
美「よかった!私は月詠さんが助けてくれたんで大丈夫です!ありがとうございました!」
『そう(ナデナデ)』
美「えへへ(微笑)」
それに対して私はお礼も含めて返事をすると、月詠さんは私の頭を撫でてきた。
私は嫌がることなくそれを受け入れた。
クロ《ニャー!》
ピョン…
『ん。』
するといきなり黒猫が月詠さんに向かってジャンプした。
それを月詠さんは私の頭を撫でていた手と逆の手で危なげなく抱きとめた。
黒猫は月詠さんの眼鏡を咥えている。
『ごめんねくろ、ありがとう。』
クロ《ニャー》
月詠さんは眼鏡を受け取って黒猫の頭を私の時と同様に撫でた。
美「その子クロって言うんですね!凄く賢いし、月詠さんの飼い猫ですか?」
『んーん、野良で友達。』
美「そうなんですか!凄く懐かれてますね!あの、よかったら…触ってもいいですか…?」
『ん。』
私の質問に軽く答えて月詠さんは私にクロを抱っこさせてくれた。
美「わぁ!フワフワ!かわいい!」
クロ《ニャー》
『よかったね』
私は抱っこしたクロの毛並みを堪能した。
野良猫と思えないくらいの毛並みをしていてびっくりしたくらいだ。
月詠さんはそんな私の様子を少し口元を緩めながら見守っていた。
葵「美優!」
月詠さんが壁になって気づかなかったが、月詠さんの後ろから葵くんの声が近づいてきた。
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