「泣かないで、壱斗」
自分のほうがぐちゃぐちゃな顔してるのに、俺の頬を手で包んでくれる姫乃が愛しくて
愛しすぎてまた泣けた。
「ずっと傍にいてもいい?また、私に笑顔見せてくれる?」
「うんッ…」
やべぇ、俺、かっこ悪い。
「嬉しい…大好きッ」
俺も…って言おうとした瞬間。
柔らかいものに唇を塞がれた。
……姫乃の唇だって気付くまで、しばらく時間がかかった。
「エヘッ」
テレて笑う姫乃の唇を、今度は自分から奪った。
「んッ…」
「ごめん、我慢できなくて」
唇を離した後に、ちょっと罪悪感。
ちょっと深いキス…しちゃったし。
姫乃動かないし。
あぁ、もう。俺最低。
「……我慢なんて、しなくていいよ?」
………え?
「我慢しなくていいよ、だって私、ッ壱斗となら…ッ」
マジでこれ、夢じゃないよな?
「姫乃、ほんとにいいの?ほんとに後悔しない?」
「うん…」
「わかった、優しくする。」
決意を固めて、ベッドに向かう。
姫乃が嫌がることは絶対しない。
姫乃のためなら、自分の欲望抑えるなんて簡単だ。
「壱斗、いっぱい気持ちよくなろうね?一緒に」
………やっぱ無理かも…
*

