「綺麗だなー…」
遊園地のある一角。
なんとなく歩いてると、辿り着いた。
どっちを向いても私の身長と同じくらいの向日葵。
すごく綺麗で
汚い私を隠してくれる。
今ごろ、姫乃は私がいないことに気付いてるのかな。
斎藤さんはいなくなってせいせいしてるかも。
ハハ。頑張るって決めたのになぁ…
「美帆!」
名前を呼ばれた気がして、周りを見渡すけれど見えるのは向日葵だけ。
いるわけないよね。
ハハ、何期待してんだろ……
「美帆!」
ねぇ、どうして……
「探したって……」
後ろにいる彼の吐息が、すぐ耳元で聞こえる。
「斎藤…さん…?」
「亮佑だっつーの。嫌味かよ」
「なんでここに…?」
「だから探しに来たんだって!なんで一人でどっか行ったりすんだよ!心配すんだろ…」
抱き締めた小さな肩が震えてる。
「同情のくせに…」
………は?
抱き締めた腕を無理矢理ほどいて、彼女は振り返った。
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