壱斗はまるで、天使みたいに見えた。
だって、雅斗様も史斗様も必死で怖いんだもん……
「お姉ちゃん、この人が旦那様?」
「うん、そうだよ」
「へぇ……僕やっぱりこのお兄ちゃんがいいな」
陸が壱斗を指す。
「なッ…!壱斗に負けた……」
よかった、陸はまともに育ってくれるよね……
「僕はこの人」
空は今だに史斗様を指す。
あぁ、空……
「あれ、斎藤。なんか笑ってる?」
「笑っておりません。」
「嘘だぁ!今絶対笑ってたよ!」
「しつこいです、壱斗様」
「あ、ごめん」
「あのお方は…、姫乃様はあなたに似ておられますね」
「へ?なんで?」
「心の奥深くの…、自分でも気付かないようなところに気付く。」
「ハハ、そうかな?」
「はい、少し怖いです」
「確かに。知れば知るほど……ね」
「お似合いです、壱斗様。お幸せに」
「ありがとう。斎藤もな」
「……やっぱり、怖いです……」
「ハハハ♪」
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