「ねぇ、お姉ちゃんの旦那様はどこ?」
「うんとねぇ、まだ帰って来てないの」
「へー……僕あのお兄ちゃんがいい」
そう、空が指差したのは
……げ。
史斗様。
や、やめようよ~…怖いよ……
史斗様は不気味に笑って私達のほうへ歩いてくる。
こ、こわ……
史斗様は空と目線を合わせるようにしゃがみこむ。
「君、大きくなるよ……」
ひ、ひぃぃぃぃぃ!!
どうしよ、空が史斗様みたいになったらどうしよ!
陸は少し納得行かない様子。
「え~~、僕はあの人だな」
ま、雅斗様?!
「おお、君すっげーいい子!お兄ちゃんが人生について教えてあげよう!」
「や、やめてください!どうせ変なこと教えるんでしょ!」
「なッ!姫ちゃん失礼だよ!」
「やめて~、私の可愛い弟達を汚さないでー!!」
「汚すって…なんて失礼なことを……!」
「何騒いでんの、雅兄。て、あれ?この子達、もしかして姫乃の弟?」
「あ、壱斗!お帰りなさい!」
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