「斎藤さんって、下の名前何て言うんですか?」
「“亮佑”ですが」
「じゃぁ、何歳?」
「25歳です」
………続かない。
会話が続かない。
美帆は横で赤くなってうつむいてるし。
斎藤さんは相変わらずクールだし。
どうしよう………
「着きました」
無情にも、私たちが乗った車は美帆の家の前に着く。
「じゃ、私…」
「あ、美帆…!」
「ん?」
「また、家来なよ!ね、いいですよね、斎藤さん!」
「いいんじゃないですか?姫乃様のお望みなら」
「あ、じゃあ、また行きます…!」
「バイバイ、美帆!」
「うん!」
美帆は満面の笑みで、家に入って行った。
よかったぁー……
「斎藤さん、斎藤さん。女の子にはもっと優しくしたほうがいいですよ?せっかくかっこいいんだから。」
「優しくするのと容姿とはどういう関係があるんですか?」
「やっぱり女の子は、男の人に優しくしてもらったら嬉しいもんだし……」
「……興味ありません」
斎藤さんは相変わらず無表情。
「恋とかしたことないんですか?」
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