「ねぇ…」
美帆は私の制服の裾を持つ。
「どうしたの?」
「あの人…」
「え?は?」
「昨日の人、あの人だ……」
美帆が指差す先にいたのは、斎藤さん。
え、まさか。
斎藤さんの向こうにいる人かな?
「あ、昨日の……」
私達を見た斎藤さんが言った。
「昨日は、ありがとうございました!」
美帆は斎藤さんに向かって直角にお辞儀。
え、嘘……ほんとに?
美帆の好きな人って
斎藤さん?!
「いや、気にしないでください。さぁ、姫乃様、お乗りください」
いつもと変わらないクールな態度。
でも美帆からは冷たい態度に見えたのか、少し泣きそうな顔してる。
どうしよ、………あ!
「斎藤さん!この子、家まで送ってあげてくれません?」
「はい、よろしいですよ?お乗りください」
「はい……」
冷たい態度でも、一緒にいれるのが嬉しいのか美帆は顔を赤くした。
斎藤さんが開けてくれたドアから入る。
近くに行くので美帆はすごく緊張してる。
可愛いなぁー……
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