「姫乃様、どうぞ」


「あ、どうも」



次の日。壱斗と一緒に車に乗り込んで学校へ向かう。


今日の送り迎えは斎藤さんみたいだ。


帰り、壱斗いないから斎藤さんと二人きりだ。



やだなぁ……話すことないし…




「姫乃?どした?元気ない」


横を向くと壱斗の心配そうな顔。


いつも優しいなぁ、壱斗は…。




「大丈夫ですよ」


「そっか、よかった」



うぅ、ときめくなぁ、この笑顔。



毎日毎日、私の中の壱斗が増えてくよ……




学校に着くと、相変わらずすごい視線。


でも気にならなくなってきた。




周りの友達はみんなわかってくれたし。

何と言っても強い味方・田村美園さんがいるし。



私幸せだなぁー……

















壱斗と別れて教室に入る。


すぐに目に入ったのは親友・美帆だった。



「み~ほ、おはよ!て、どしたの?」


美帆はいつもにも増してぼーッとしている様子。



「え…あ、姫乃!おはよ…」


「どしたの?ぼーッとしちゃって。」


「私ね…あの……」


「ん?何?」


「恋…しちゃったかも……」



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