「どういうこと?!」
俺の口から予想外の言葉が出てきて、咲華さんは俺を睨み付ける。
親父はなぜか穏やかな瞳で、言った。
「やっとわがままを言ったな、壱斗」
「…親父……」
「悪かった。お前を傷つけるようなことをして。お前はお前の、人生を生きなさい」
俺は、なんてガキなんだろう
親父はいつも背中で見せてくれていたのに。
おふくろはいつも笑顔で見せてくれていたのに。
二人はいつも、俺への愛情を見せてくれていたのに。
どうして気付かなかったんだろう。
「…ごめん」
今まで本当に、ごめんなさい。
「謝る必要はない。私も春花も、お前の親なんだ。子どもの幸せを願わない親が、どこにいる?」
俺も雅兄も史兄も、ただ無い物ねだりをしていただけで
本当はそれぞれに親に愛されている。
お互いに不器用で、気付けなかったけれど。
これからは、もっといい親子関係を築いていける。
そうだよな?親父。
「ありがとう」
「こちらこそ。生まれてきてくれてありがとう」
本当に、デカイ男だな……
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