Sweet*Princess




なんで泣いてるんだろ?俺……


わかんねーけど


キラキラと話す涼子さんの顔を見ていたら、急に涙が…



涼子さんは俺の顔を自分の胸に押しつけた。


身長差があるせいで、大分キツイ体勢だけど


涼子さんの鼓動が聞こえて


涼子さんの温もりを感じて



また涙が溢れてきたんだっけ。



こうして始まった俺たちの契約関係は


ある事件でさらに深いものとなる。




あの涼子さんが


涼子さんが一人で泣いていたのだ。



涼子さんに買ってもらった高級マンションの一室。


電気はついているのに涼子さんが見当たらない。



「涼子さん…?」


呼んでみても返事はない。



寝室に差し掛かった時


小さな泣き声が聞こえた。



「…涼子さん」


「雅斗…?」


「何泣いてるの」


「なんでもない」


「なんでもなくねーだろ」


「なんでもないったら!」



涼子さんはシーツをめくってガバッと起き上がった。



「……ひでぇ顔」


「うるさい!」


はぁ…と一つため息を吐いて、ベッドに座ると、彼女を抱き寄せた。



「雅、斗…」


「どうしたの」


「夫が…」



は?夫?



*