エレベーターのドアが開くと、
そこは一面オレンジ色の世界だった。

「日が長くなりましたね」

「はい」

夕焼け色に染まった幻想的な景色を前に、私は夢見心地だった。
こんな景色を遠藤さんと二人で見ているなんて、本当に夢みたい。

「もっといい景色が見れるところへ案内しますよ」


遠藤さんが夕焼けの中にシルエットだけになる。私もシルエットだけになる。