「あははっ! 斉藤さんは面白い人だなぁ~」
そう言って、遠藤さんは私の背中をぽんぽんとたたいた。

「まぁ、まずは顔を上げてくださいよ」

今度は謝った私が大袈裟過ぎたような気がして恥ずかしくなった。
そんな私の気持ちを知ってか知らずか、
遠藤さんは何も言わず、待合のソファに座ろうと左手で促した。