「突然すいません。あの、これ…」
封筒を差し出して、私は我に返った。

「あのっ、すいません!
あの……その……、えーっと……」

「ど、どうしました?」

「ごめんなさいっ! お見舞いに何も持たずに来てしまいましたっっ」
私は深く頭を下げた。
浮かれ過ぎて、書類以外何も持たずにお見舞いに来てしまったのだ。

何て気が利かないんだ、私。

下げた頭が上げられない。
このまま、この場を去ってしまいたいくらい恥ずかしかった。