「愛咲!!!」



帰りの車に乗った途端、ものすごい力で抱きついてくる玲衣



「受かってた!!俺!凌駕受かってた!!」



満面の笑みで私に抱きつきながら言う玲衣を私も抱きしめ返して喜ぶ



「ほんと!?やったね玲衣!!良かったー!!じゃぁ今日は合格パーティーだー!!」



玲衣が受けた凌駕高校は私たちの仲間のほとんどが通ってる高校で、偏差値こそそこまで悪くないものの、筋が通った不良校でもあったりする。



「玲衣、愛咲の帰りずっと待ってたんだぞ。気持ち悪いくらいに」



「んだよ、永久それは言わなくていいんだよ!しょうがねぇだろ愛咲に早く言いたくてしょうがなかったんだから!!」



すでに走り出した車の中に二人の声が響く。



「あ、鈴!帰り際スーパーよってくれる?買い足したいものがある」



「りょーかい」



鈴<スズ>は私たちの中で数少ない車の免許の持ち主で、訳ありでみんなと同じ学校には通えない私のことを送り迎えしてくれる。




ヴァルファイアの後部座席を全て倒してつなげてあるから、車っていうより部屋みたいになってる。



3人で寝ながら話す




「愛咲も誠遼受かったんだろ?」



「うん、まぁね」



ホントは、私も凌駕を受けたかったけどそんなわがままは通らなかった。



通るはずも、聞き入れてくれるはずもないんだけど。