バシンッ!!



「ッ…ぅ……」



床に尻餅をついて、私は殴られた頬を手で押さえた。



ジンジンとする…。


「……俺がなぜ、海外で仕事を一時切り上げてこちらにか帰って来たのか分かるのかね?」




「ご…ごめんなさい…」



冷たい兄さんの声に私は体中が、凍り付いてイヤだ…。



何もかもが兄さんに支配されている。


ヤダ…怖いよ……。


「どうしてお前は、そう何も出来ないんだ…。俺に連絡ぐらい小さな子供出来るだろう?」



「………ごめんなさい…ごめんなさい…」



もう私には、謝るしかなす術がなくて…。

怖いよ…。


涙なんて流す事はない。


流した所で、兄さんが同情するとは思えないわ。


涙を泣く事は香輝だけで十分だもの…。


違う…。今日、泣いたんだった…自分のために…。








「いつになったら俺の満足する行動を取れるようになるんだ」