「……えっと……」


「聞こえないの?どいて。」



その迫力に押され、私は勢いよく立ち上がった。


環方くんはソファーに気持ち良さそうにドカッと座った。



「何?いつまでそこにいる気?」


「あ……本を……」



急いで立ち上がったら、後で読むつもりだった本をソファーの背後の棚に置いてきてしまった。




「ああこれか。ハイ。」


環方くんは私に本を手渡した。


「あ、ありがとう……」