「俺、情緒的な女嫌いだから。
すぐ泣くやつって超うざい。」


「べ、別に普段は泣かないけど……
感動して泣いてるんだから別に泣き虫って訳じゃないのに……」


「そんなに本で泣けるわけ?」



えっ、興味持ってくれた?



「うんっ。そうなの!
これね、主人公の女の子が不治の病で。
もう可哀想で可哀想で……。

でもね!その子はちゃんと前を向いて生きてるの!」



またぶり返しで涙が溢れてくる。



「お前……。」


環方くんは私の興奮ぶりを見て、呆れたように笑った。