「……っ……!!」 うわっ! あまりに近いその距離に、思わず仰け反った。 「あ…やっと、こっち向いてくれた」 向かいのソファーに座っていたはずの男の人は、いつの間にか隣に座り爽やかな笑顔を浮かべていた。 ……何、この人? 「………………」 「……おーい……」 無言で見ていれば、目の前で手をひらひらさせている男の人は 「何か、喋ってよ~!」 困ったように、眉を寄せる。 「……何か?」 鸚鵡返しのように口を開けば 「ぶっ! 何、この子……」 向かいのソファーからは、また別の声が聞こえた。