そんな苦しさを抱えたまま、日々は過ぎて行った。

私の夢は、仮初めのものである気がして。

本当の未来は、どこにあるんだろうと思った。


私がもがいているとき、もしかしたらあなたも。

溺れそうな闇の中から、光の方へ必死で歩いていたのかな。

あなたに比べたら私は、ほんの木陰のような暗さだったけれど。


あなたの闇の暗さは、深い海の底くらいだったんだね―――



1年の終業式の日。

学年集会があった。


視聴覚室の端には、先生がずらりと並んで立っていた。

その中の一人に目が留まった。



――川上先生だ。



白衣じゃなくて、スーツを着ていた。

あれ、全然知らなかったけれど、川上先生は私の学年の先生だったんだ。

ふたつ隣のクラスの、副担任を受け持っていたみたいだった。



「では、次は副担任の先生からみなさんへのお話です。担任の先生のお話を聴く機会は多いと思うので、たまには副担任の先生に伺ってみましょう。」



学年主任の先生が言って、7クラス分の副担任の先生が前に並んだ。

7人分、話を聴くなんて疲れるな。

正直、そんなことを思っていた。

しかも、川上先生以外知らない先生ばっかりだし。

いや、川上先生も挨拶しかしたことはないから、知っているうちに入らないのかもしれないけど。



そして、一人ずつの話が始まった。