結局、閉祭式で発表された、我がクラスの順位は堂々の総合一位。

3年生の理数科を打ち破ったわけだから、これは、ものすごい。

毎年、3年の理数科が優勝というのは、相場が決まってるんだ。


そして、嬉しいことがもう一つ。


すべてが終わって、後夜祭が始まる前だった。



「はるちゃん!!」



職員室前で、笑顔の倉木先生。

見ると、短歌メンバーの3人が、私を手招きしている。



「予選、通過したよ!!」


「えっ!本当ですか!」



じわじわと嬉しさが広がる。

忙しい中でも、歌を詠んでよかった。

4人の力で、見事大会への出場を決めたんだ。



「はるちゃん、主力メンバーね。」


「え?」


「4人の歌を、学校の国語の先生全員に見てもらったの。それで、投票してもらって決めたんだよ。」



そんな、私たちのために、先生たちが動いてくれていたなんて。

なんだかすごく嬉しい。

4人のうち、3人が主力、1人が補欠となるこの大会。

補欠になった友達の分も、頑張らなくちゃ。



「なに、どうしたの。」



振り返ると、不思議そうな顔をした川上先生がいた。



「川上先生、この子たち、短歌大会の予選を通過したんですよ!」



倉木先生が、嬉しそうに言う。



「短歌?……ふーん、短歌ねえ。」



反応薄いの。

だけど、それが川上先生。

そんな川上先生も、大好きで。


何だか今日は、いろんな喜びが重なって。

先生に抱きつきたくなってしまった。



短歌をやってること、先生に知ってもらえて嬉しかった。

これからも、もっともっと。

先生に知ってほしかった。

私のこと、ひとつひとつ。

そして、先生のことも。



この頃の私は、打算的なことなんてひとつもなくて。

ただただ、先生に近づきたいって、そればっかり考えてた―――