お昼休みは、いつも空き教室に集まっていた。

そこで、文芸部の倉木先生と、同じクラスの女の子3人と一緒にご飯を食べる。

そして、食べながら短歌の勉強をした。


先生が作ってくれたプリントには、歌人さんの作った短歌がたくさん載っていて。

その中から、自分が好きなもの、嫌いなものを選んで、どこが好きで、どこが好きじゃないのか議論する。

今まで全く短歌を詠んだことのなかった私も、こうしていくうちにその面白さに気付けた。

ひとつの歌でも、人によって全く解釈の仕方が違ったり。

他人の解釈の仕方から、新しい目線からの読み方に気づけたり。

短歌って、奥が深いんだ。


そして、自分でも歌を作り始めた。

最初に詠んだのは、どんな歌だったかな―――


そうそう、短歌では、題詠、テーマ詠のように、お題やテーマが与えられて、そこから歌を生み出すこともある。
私たちが目指していた大会は、お題が与えられて、その言葉を詠み込まなくてはならなかった。
だから、最初から題詠の練習をしていたんだっけ。


何事も、始めたばかりのころは楽しい。

短歌に出会ったその時は、本当に、本当に楽しくて。

毎日、お昼が楽しみだった。