センセイの白衣

「はるちゃん、これ分かんないんだけど。」


夕子に尋ねられた問題は、ある大学の過去問だった。

結構難しい。

私はその場では解けずに、家に持ち帰らせてもらった。


今思うと、何で夕子は川上先生に訊かなかったんだろうって思うけど。

私に気を遣ってのことなのかと思うと、なんだか申し訳なくなる。


帰ってから一生懸命考えて。

次の日、夕子に説明した。

夕子は納得してくれたけど、私がいまいち自信が無かったから。

私の書いた説明を、川上先生に見せて、合っているかどうか見てもらうことにした。



「先生、これ、合ってますか?」


「どれー?ちょっと待て。」



しばらく、説明とにらめっこしていた先生。



「うん。合ってる。」



そう言われた時に、私は嬉しくてたまらなかった。



「やったー!」


「横内先生が教えてくれたんですー。」



夕子がそんなことを言うから。

先生も、にこっと笑って言った。



「横内先生、か。」



先生に、そんな呼ばれ方をして。

単純な私は、それだけで未来が見えた気がした。

川上先生に、そんなふうに呼んでもらえる未来が―――