おためし彼氏の5日間。



「姉ちゃん、そろそろ。」


陽樹が声をかけた。


「うん・・・。」


「いつでも来てよ。」


「うん。来るよ。」


後ろ髪を引かれながら、アヤの元を離れた。


その前に、アヤがあたしの腕を引き、耳元で囁いた。


「今ヒナに触れたくてヤバい。退院したら理性なくなるから。覚悟しといて。」


「へっ!?」


「またね。」


何だと!?


し、心臓が保たない!!


あたし絶対今、顔赤い!


ちらっと振り返ると、アヤは優しく微笑むだけだ。


「バイバイ、ヒナ。」


すっかり痩せ細った左腕を静かに振る。


あたしも手を振り返した。


また明日。


そんな普通のたわいない言葉。


昨日と同じように明日がやってくるなんて、誰もわからないはずなのに・・・