「姉ちゃん、そろそろ。」
陽樹が声をかけた。
「うん・・・。」
「いつでも来てよ。」
「うん。来るよ。」
後ろ髪を引かれながら、アヤの元を離れた。
その前に、アヤがあたしの腕を引き、耳元で囁いた。
「今ヒナに触れたくてヤバい。退院したら理性なくなるから。覚悟しといて。」
「へっ!?」
「またね。」
何だと!?
し、心臓が保たない!!
あたし絶対今、顔赤い!
ちらっと振り返ると、アヤは優しく微笑むだけだ。
「バイバイ、ヒナ。」
すっかり痩せ細った左腕を静かに振る。
あたしも手を振り返した。
また明日。
そんな普通のたわいない言葉。
昨日と同じように明日がやってくるなんて、誰もわからないはずなのに・・・


