真っ白なカーテンが揺れた。
病院独特の消毒液のような匂い。
暖かすぎる部屋。
あたしが全てを投げ捨て、逃げた理由が優しくアヤを包んでいた。
「アヤ・・・?」
震える声で、アヤを呼ぶ。
窓が空いていて、揺れるカーテンを伝って、花の香りがここまで届いた。
あぁ、きっと金木犀だ。
目を閉じた瞬間、強い風が吹いて、あたしの髪をなびかせた。
目を開けると、ベッドを隠していたカーテンが風でなびき、露わになっていた。
真っ白のベッドの上。
こっちを真っ直ぐに見つめる人。
金木犀の香りと、心地よい風。
あたしと、アヤの涙・・・。
「・・・ヒナ。」


