次の日の放課後、何故か私は再び水嶋の周りにいる女子たちに呼び出されていた。


しかも前回の人数より増えてる。


「何か用ですか?」


1日中何もなかったから、水嶋と瀬戸口くんが上手く言ってくれたのだろうと私も前っちゃんも放課後になるまでは思ってた。


でもなんでこんなことに・・・。


前っちゃんは部活に行って、このことを知らないし、水嶋と瀬戸口くんとはクラスが違うから絶対わからないだろうし、呼び出されたこの場所は今は使われてない旧校舎のどこかの教室だ。


もの好きでもいない限り人が来ることはない。


「何か用ですかって・・・?
あんた何知らばっくれてんの?」


ちょっ、髪がショートのお姉さん顔怖いですって。


眉を寄せて睨むショートの女子に、私は一歩後退りをした。


何人か他の子も、私を睨むように鋭い目を向けていた。


すると、ショートの女子の後ろから、昨日私を叩いた直美が前に出て近づいて来た。


「あんた、瀬戸口くんにチクったんでしょ?
今日水嶋くんと瀬戸口くんの二人に言われたわ。
”吉野さんにもう近づかないで”。
”あの人は関係ないだろう”って。
ふふふ」


何がおかしいのか、直美は1人クスクスと笑う。


「何がおかしいのよ?」


私も他の子に負けじと睨みを効かせて直美に聞く。


「だってあの二人があぁして私たちに言いに来たのよ?
今までそんなこと一度もなかったのに。
あんた、どうやってあの二人に付け込んだわけ?」


「つ、付け込む!?」


何言ってんの?


私はただ二人と友達なだけだ。


あれ、水嶋は友達の枠でいいのかな?


えぇい、今は何でもいい!


付け込むとかそんなのした覚えもない!


「人聞きが悪いこと言わないでくれる?
私は二人と友達なだけなんですけど?」


「友達?
ハハハ!
バカ言ってんじゃないわよ!
瀬戸口くんはまだしも、水嶋くんが特定の女子の友達を作るなんてことあるはずない!
あの人は、周りに私たちがいても、女子の友達を作るということはしなかったわ」


「・・・・」


つまりあなたたちは水嶋の友達じゃないと?


なのにいつも周りにいるの?


水嶋にとってもいい迷惑だね。


ていうか、それもうストーカーみたいなモノなのでは?


「あんただけなんじゃないの?
あの二人と友達なんて思ってるのは!」


「お生憎様。
水嶋はどうかわかんないけど、瀬戸口くんとは正真正銘友達だから」


「はんっ!
あんたの言葉なんて信じるわけないでしょ!
このビッチがっ!」


叫ばれた瞬間、バシャッと音と共に、私の髪から雫が垂れた。