そして放課後。
「真尋、ちょっといいかな?」
私と前っちゃん、それに瀬戸口くんで水嶋を学校の庭に呼び出す。
「なんだよ、こんなとこに呼び出して」
水嶋は少し眉を寄せて近づいてくる。
「話があるんだ。
大事な話し」
「話し?」
「水嶋と吉野さんのことについて」
瀬戸口くんがそう言うと、水嶋の眉がピクっと一瞬動いたような気がした。
「なんだよ、それ?」
「水嶋、あんたあいつらにガツンと言ってやってよ」
「誰に何をだよ」
「吉野にこれ以上近寄るなって」
「はぁ?」
腕を組んで当たり前のように言う前っちゃんに対して、水嶋はますます眉を寄せて眉間にしわを作る。
まぁ、いきなりこんなこと言われても意味わからないよね。
私たちは掃除時間にあったことを水嶋にすべて話した。
「なんだよ、それ・・・」
思ってた通り、水嶋は話を聞き終わると暗い顔をしてうつむいてしまった。
「悪い、吉野・・・」
「いや、別に水嶋のせいじゃないから謝られても・・・」
実際に悪いのは水嶋にたかってるあの女子たちだし。
水嶋は何も悪くない。
でもまるでそれを私たち三人で攻めてるようにも思える・・・。
そんなこと全然ないんだけどね。
さて、これからどうしようか・・・。



