「で、結論。
やっぱりこのことは水嶋に話そうと思う」
「・・・何で？」
「水嶋にも事情を言っとかないと、吉野のこと守れないでしょ？
それも自分にまとわりついてる女子どもなんだから尚更。
彼にもあいつらにガツンと言ってもらわないと」
「・・・・」
「・・・確かに、吉野さんが真尋に言いたくないって思ってるのもわかる。
僕は伊達に真尋と長くいるだけじゃないからね。
吉野さんは、真尋が自分のせいだと思うって思ってるんでしょ？」
「う・・・ん」
「でも真尋はそんな弱くないから。
吉野さんが笑ってくれてたら、真尋も救われると思う」
「そう・・・なのかな・・・」
「うん。
長年一緒にいる僕が言うんだから間違いないよ。
でも、それでも真尋がこれ以上自分の殻に閉じこもるっていうんなら、僕が無理矢理にでも引きずり出してみせるから
それに、これが最後のチャンスかもしれないんだ・・・」
最後のチャンス・・・？
「だからさ、真尋にも話そ？」
「・・・うん、わかった」
そうだよね。
最近一緒にいるようになった私なんかより、長年一緒にいた瀬戸口くんの方がよっぽど水嶋のこと知ってるよね。
なんか・・・悔しいな。
・・・ん？
悔しい？
何が・・・？
わからない感情に、私は首をかしげるしかなかった。
