あー、なるほど。


私は1人、納得していた。


この人たちみたいなのがいるせいで、水嶋は未だにまだあの仮面が取れないだ。


作り笑いの、あの仮面が。


私はあいつのこと心底嫌ってたけど、やっぱ前言撤回。


私が心底嫌いなのは水嶋じゃなくて、水嶋の周りにいるこの腐った連中たちだ。


それがわかると、何故か自然と笑みが出た。


「何、笑ってんの?
やっぱりあんた、この状況がわかってないみたいだね」


「いや、十分わかってるよ」


嫌なくらいにね。


「あんた達が治しようのないほど腐ってるってことがね」


「は?」


「ねぇ、直美。
こいつもう学校に来れないくらいにしとかない?
そしたらもう水嶋くんには近づかないだろうし。
ていうか、学校これなくしてやったら近づけもしないよね?」


ストレートパーマの直美と呼ばれた人物に、ショートの子が不敵な笑みを浮かべて言っていた。


「・・・そうだね。
みんなでやっちゃおっか」


その言葉に釣られるように、他の子達も「しようしよう!」と声を揃える。


さすがにこれには私もゾッとした。


何されるのかわからないってこともあるけど、一番はみんなの目が普通じゃないってことだ。


「さて、何してあげようかなー?」


「髪切っちゃう?
私ちょうどハサミ持ってるよ」


「あー、それいいね。
私一度人の髪の毛切ってみたかったんだ」


ショートの子からハサミを受け取った直美は、ニヤっと笑いながらジリジリと私に歩み寄ってきた。


逃げようとした時、他の子にがっしりと二人がかりで両腕を掴まれる。


逃げようにも、身動きがとれない状態になってしまった。


やばい。


これはホントやばい!


「大人しくしててよー?
じゃないと、違うところ切っちゃうから」


あの時のストーカー並に恐怖が押し寄せてきた。


「や、やめて」


「聞こえなーい」


ハサミが私の髪の毛を刃と刃の間に入って、切られようとした時。


「何、してんの?」


誰かの声が聞こえた。