「よーしの!」
机に両手をついた人の顔を見ようと頭を上げる。
「前っちゃん?」
そこには私の親友、前っちゃんがいた。
「部活はもういいの?」
って、昼休みもう終わるんだっけ?
「うん、もういいんだ。
それより吉野、最近自分の周りで変なこととかない?」
「変なこと?
特には…」
あのストーカーの件以外には特にこれといってないような気がする。
「ホントに?」
ズイッと顔を近づけられる。
一体どうしたというのか…。
あ、そう言えば…。
「水が、降ってきた」
「水?」
「うん、この前歩いてる時に上から水が降ってきた」
と言っても雨とかそういうのじゃない。
まるでバケツの水をひっくり返したように、勢いよく降ってきてその場だけ濡れた。
「他には?」
「他に?
えーと…」
そうだ、ある日何故か机の上に紙で『近づくな』という字が赤色で書いてあったこともあった。
まぁ、気にせずゴミ箱に捨てたけど。
「他は?」
「他…」
あぁ、そうだ。
昨日だったかな?
誰かにつまずいて、コケそうになった先に押しピンがばらまいてあった。
コケなかったからよかったけど、もしコケてたら顔か手が針山に刺さったみたいになってたかもね。