大嫌いだったあいつと



「ほら、入って」


「う、うん」


連れてこられた場所はまさかの美術室だった。


「すごい・・・。
これ全部学生が?」


「当たり前だろ?
おっ、あったあった」


水嶋は布が被されてあるキャンバスを一枚一枚めくりながら、ひとつのキャンバスの前で止まった。


何かを見つけたらしい。


「お前に見せたかったのは、これ」


バッと布を取ると、油絵の綺麗なひまわり畑の絵が出てきた。


「わー、すごい!
キレー」


近づいてマジマジと見る。


本物のように明るい空に、まるで生きてるかのように生き生きとしたひまわりたち。


目を奪われずにはいられなかった。


「こんなすごい絵を描ける人がいるんだ」


「これそんなにすごい?」


「うん、あまり絵に詳しいって方じゃないけど、まるでひまわりが生きてるみたい。
ううん、この油絵自体が生きてるみたいな感じ」


ずっと見てると風が吹いて今に揺れるんじゃないかと思わせるぐらいだ。


「ふーん。
ありがと」


「?
なんで水嶋がお礼言うの?」


同じ部員としてとか?


私が首をかしげると、水嶋は笑いを堪えるように後ろを向いて肩を震わせた。


「ぶはっ!
まだ気づかないの!?」


もう完全に吹き出して笑ってるし。


「気づかないって何を・・・」


そう言いかけてはたと気づく。


「まさかこの作品・・・」


「そっ。
俺が描いたやつ」


やっぱり!