「で、昨日はどうだったの?」


学校に来て、朝イチで前っちゃんに問いただされた。


「んー、最初水嶋の存在のせいで一緒に帰れなくなるところだったけど、なんとか一緒に帰ったよ」


「そう、よかったじゃん!」


「う、うん」


「で、他には?」


「他?」


「え、ただ一緒に帰っただけ?
キスは?」


「は、はぁ!?
キス!?するわけないじゃん、そんなの!」


「まぁ、そうだよね。
あんたも瀬戸口もウブそうだもんね」


「あのねー…。
でも瀬戸口くんとは、ちゃんとした友達にはなれた」


「そう。゛まだ゛友達止まりなんだ」


「……」


母さんと同じこと言ってるよ、前っちゃん。


「とりあえず、それだけだから。
これ以上も以下もないから」


「ん。今日も一緒に帰るんでしょ?」


「え、ど、どうかな…」