大嫌いだったあいつと




校門まで出て、やっと走るのをやめる。


「ハァ、ハァ。
折角一緒に帰れると思ったのに・・・。
前っちゃんに明日なんて話そう・・・」


笑われるだろうか?


それとも辛い悲しそうな顔をしてくれるだろうか・・・?


呼吸を整えてから歩き出す。


もう、瀬戸口くんに会わす顔がない。


「・・・し・・・さん・・・!
よ・・・の・・・さん・・・!
よしの・・・さん・・・!」


誰かが呼んでる様な気がした。


「吉野さん!」


後ろ・・・から?


ゆっくり振り返る。


そこには、始めて話した時の様に、息を切らした瀬戸口くんの姿があった。


「瀬戸・・・口くん」


「ごめん、俺が変なこと言ったから怒って出て行ったんだよね!?
部室に来る女の子ってほとんどが真尋目当ての子だから、吉野さんもそうなのかなって勝手に思って・・・。
ごめん、俺に用があったのも知らずに・・・」


「・・・怒って出て行ったと思ったの?」


「え、違うの?」


「・・・まぁ、それでいいや」


本当は恥ずかしくて出て行ったんだけどね。


「で、俺に何か用事があったんでしょ?
何?」


「・・・・。
カバン持ってるね」


「え?あ、うん。
追いかける時戻らないようにしようと思って一応カバンも持ってきたんだ」


「そうなんだ。
じゃあさ、一緒に・・・帰らない?」


「うん、いいよ。
追いかけた後俺も一緒に帰ろうと思ってたんだ」


「ほ、ホント!?」


「うん」


なにこれ、なにこれ!


想像以上に嬉しいんだけど!


一緒に帰れるのもそうだけど、瀬戸口くんも一緒に帰ろうとしてたことが嬉しい。


「じゃ、帰ろっか」


「う、うん!」


始めて男の人と隣に並んで、二人で帰った。