「一緒に帰ろー」


「うん、あっ。
今日どっか寄ってく?」


「いいね!」


・・・・。


とうとう放課後になってしまった。


休憩の時前っちゃんに一応瀬戸口くんはなんの部活に入っているのかは聞いた。


でもまさか、水嶋と同じ部活だなんて・・・!


瀬戸口くんに会いたいけど、あいつには会いたくない!


どうしよう・・・。


「吉野?
美術室行かないの?」


「うっ・・・、行きたいけど水嶋がいる・・・」


「あぁ、水嶋か。
ってかどんだけあんた水嶋のこと嫌いなのよ。
そんなに嫌なら視界に入れなきゃいいじゃん」


「そうしたいのは山々なんだけど、あいつ無駄にキラキラしてるし、女子に囲まれて目立つから嫌でも視界に入るんだよねー」


「あー、まぁ、確かにわからなくもない。
でも、今朝の会話からして今日は早く帰るんじゃない?」


「今朝の会話?」


「ほら、朝。
『ごめん、今日は用事があるんだ』
って言ってたじゃん」


「確かに。
てことは、今日は部活に出ない!?
イコール瀬戸口くんに会える!?」


「会えるんじゃない?」


「よっし!今日テニス休みだし、私行ってくるよ!」


「うん、がんばって。
私は今日部室に顔出したら帰るつもりだから、先に帰ってるね」


「うん、じゃあまた明日ね」


「どうなったか、明日話してよ?」


「一緒に帰れればね」


二人で笑った後、前っちゃんは教室から出て行った。


さて、私も美術室へ行くか。


軽い足取りで美術室へ向かった。