True Love

急に胸が熱くなり、心臓のバクバクがさらにひどくなる。だけど泣きそうになるのをこらえながら私は笑顔を見せた。

「私も、好き。私の好きな人は柴崎くん、です」

信じられない、といった表情の柴崎くんと今度こそ目が合う。

「…え、本当に？」

「それを言うなら、柴崎くんこそ本当に？嘘じゃない…？」

「嘘じゃない、本心だ」

「私もそうだよ。ずっと、柴崎くんのことが好き」

好きな人と同じ気持ちでいられることが、こんなにも幸せなことなんだと初めて知った。すると私はこらえきれずに泣き出してしまった。

「え？なんで、大丈夫か？」

「ごめん…。柴崎くんが私のこと好きになってくれるなんて、夢みたい…。嬉しくて涙が止まらない」

泣いている私をどう扱っていいのかとあたふたする柴崎くんには申し訳なかったけれど、本当にどうしようもなく涙が止まらなかった。

そっと柴崎くんが私に近寄る。そしてたどたどしい手つきで私の頭をゆっくりポンポンと撫でてくれた。それはとても心地の良いものだった。


そして私が泣き止んで落ち着きを取り戻した時、柴崎くんは私の目をしっかりと見てから「俺と付き合ってください」と言ってくれた。

今度は泣かずに笑顔で「はい」と答える。

私、今が一番幸せかもしれない。