True Love

「大森とのが、楽だしな!」

はははと笑う須田くんに呆れ顔をする杏ちゃん。

「あっそ」

「あ、じゃあ今年は怜も誘ってみるか!」

それは違うんじゃないかな、須田くん!なんて私は心の中で突っ込みを入れてしまった。

「怜、いいだろ?予定とかないだろ?」

「は?予定はないけど…」

「じゃあ、決まり!」

いきなり話を振られて、決められた約束に「ったく、京平は…」と言いながら承諾した。

それを見て杏ちゃんは呆れ顔から急に顔を輝かせて私の方を見た。

「それなら花音ちゃんも行こうよ!京平が友達誘うなら私も誘っていいでしょ!」

「え、私っ!?」

「話、聞こえてたでしょ?ここの地域の花火大会ってね、結構規模も大きいし、出店もいっぱい出るから楽しいよ!」

杏ちゃんの笑顔はとても楽しそうだ。この笑顔は、あれだ。私と柴崎くんのことを見る時のだ。

そうとわかっていたけど、私には誘いを断る理由なんて当然なくて快諾する。

願ってもいない幸運が来た。