次の日に怪我のお礼を言った時のように朝礼後に猫のことを話すと、柴崎くんは笑顔で「よかった、ありがとう」と言った。
私はその笑顔を見てドキッとしたことを感じとる。
「花音ちゃんってば、柴崎と仲良くなったの?」
自分の席に戻ると杏ちゃんが私にそう尋ねてきた。
「えっ?いや、そんな仲良くなったわけでは…!」
そんなおこがましい、と思って否定する。だけど杏ちゃんはニヤニヤと楽しそうに笑う。
「柴崎が女子に笑いかけるなんて珍しい。花音ちゃんも顔赤いしなあ」
「ち、違うよ…!」
そんな風にからかわれるものだからいっそう顔が熱くなる。杏ちゃんはその姿を見てとても楽しそうにする。
少し困っていると杏ちゃんの所に4組の須田京平(すだ きょうへい)くんという子が教科書を借りに来たので救われた。
「京平ってば、またなの~?しっかりしなさいよね」
「ごめんごめん!いつも感謝してます、大森様!」
ふたりのこのやり取りをこれまでにも数回ほど見た。
須田くんという人はどうやら忘れ物が多いらしく、よく杏ちゃんに貸してもらっている。
彼が教科書を持って去っていくと、杏ちゃんは私の方を向いて「中学生になっても成長しないんだから」とため息交じりに呟いた。
だけど口調のわりに表情が緩んでいるのを私は見逃さない。
おやおや?と思いつつ、言葉にはせずにニヤニヤと見ていると「やめてよ~」と言ってさっきと形勢逆転した。
私はその笑顔を見てドキッとしたことを感じとる。
「花音ちゃんってば、柴崎と仲良くなったの?」
自分の席に戻ると杏ちゃんが私にそう尋ねてきた。
「えっ?いや、そんな仲良くなったわけでは…!」
そんなおこがましい、と思って否定する。だけど杏ちゃんはニヤニヤと楽しそうに笑う。
「柴崎が女子に笑いかけるなんて珍しい。花音ちゃんも顔赤いしなあ」
「ち、違うよ…!」
そんな風にからかわれるものだからいっそう顔が熱くなる。杏ちゃんはその姿を見てとても楽しそうにする。
少し困っていると杏ちゃんの所に4組の須田京平(すだ きょうへい)くんという子が教科書を借りに来たので救われた。
「京平ってば、またなの~?しっかりしなさいよね」
「ごめんごめん!いつも感謝してます、大森様!」
ふたりのこのやり取りをこれまでにも数回ほど見た。
須田くんという人はどうやら忘れ物が多いらしく、よく杏ちゃんに貸してもらっている。
彼が教科書を持って去っていくと、杏ちゃんは私の方を向いて「中学生になっても成長しないんだから」とため息交じりに呟いた。
だけど口調のわりに表情が緩んでいるのを私は見逃さない。
おやおや?と思いつつ、言葉にはせずにニヤニヤと見ていると「やめてよ~」と言ってさっきと形勢逆転した。


