True Love

猫を抱えて帰って来た私を見てお母さんはかなりびっくりしていた。

この子を飼うことはできないかと言うと、お父さんが帰ってきたら相談しましょうと言った。

雨に濡れて可哀想に、と言いながらタオルで猫を拭いてあげるお母さんの姿はこの子を嫌がる様子はなかった。


19時頃に帰って来たお父さんも、お母さんと同様に猫を見て驚いていたけど嫌がる様子はない。

私に「責任を持って世話をすることを約束できるか?」と真剣な目つきで問いかけてきたので、私も真面目に「約束するよ」と答えた。

こうしてこの猫を桐山家で迎え入れることが無事に決まった。

夕飯のあとにこの子の名前決めを評して家族会議が開かれた。

様々な名前が挙がったが、この子が白猫だからミルクという私が提案した名前に決定した。

本当は柴崎くんがあげていたのが牛乳だったというのもあったのだが、両親にはそのことは言わないでおいた。


猫を飼えるようになったこと、名前がミルクになったということを柴崎くんに早く教えてあげたいと思ったが、メアドを知らないことを思い出してもどかしく思った。

だけど連絡網を見て家にかけるというのは、おうちの人が出たら困るなと思ってはばかれる。

明日、教えよう。

柴崎くんに話しかけるチャンスができた、と思うと嬉しく思う自分がいた。