True Love

放課後のカウンター当番はあっという間に30分が経ってしまった。


先輩は自分の左腕につけた腕時計を見ながら「そろそろ時間だ」と言った。


それを聞いて私は少し寂しいような、そんな気持ちになったことに気づく。


柴崎くんの時とは、本当に大違いだな…。


「じゃあ、終わろうか」


「…はい」


先輩が立ち上がるから、私も立ち上がる。


奥の部屋にいる野神先生に向かって、


「時間になったのであがらせていただきます」


と先輩が声をかけた。


すると部屋から先生はひょこっと顔をのぞかる。


「あら、もうそんなに時間が経ってたのね。おつかれさま、また明日もよろしくね」


「はい、失礼しました」


軽く頭を下げて挨拶をし、くるっと方向を図書室のドアへと変えた先輩を見て、私も急いで挨拶を済ませ図書室を出る。


この前のように先輩とはドアを出たところでお別れだと思い、「おつかれさまでした」と言おうとすると先輩は私と同じ方向を向いて歩いた。


「あ…先輩は反対方向では…?」


「ん?ああ、今日は部活があるから」


部活?