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道の整備がちゃんと整っていないのか、車の中は少しカタカタ揺れている。


後部座席に座る私と、運転席に座るお父さん、助手席に座るお母さんとで会話をしながら私たち家族は今、新居へと向かっていた。


窓の外から見える景色はどこを見ても山があった。


そして畑や田んぼと、田舎の風景だった。


都会の方から初めてここに来た私にとってその風景は新鮮なもので…。


「…お店、ないね」


窓の外を見ながら私は思ったことをそのまま口に出してしまった。


それを聞いたお父さんとお母さんは苦笑いしながら言った。


「でも花音、安心しろ。一応近所には商店街があるから、買い物には不便しないと思うぞ」


「そうよ~。それに、のどかでいい場所でしょう?」


2人は私が文句を言ったのかと思ったのかな。


そういうつもりではないのにな…。



だけど、この引っ越しが嫌ではないといえばウソになる。


だってあまりにも突然でショックなことだったから…。