「じゃあ、片方しかカウンター当番できないクラスには、それぞれ最初の1週間だけ俺が入ろう。他に何か質問は?」


こうして、柴崎くんの質問は解決し、その他に質問が出ることはなかった。


「では、解散」


その言葉を合図に委員会はすべて終了した。みんなが図書室を出ていく。


私もその流れに乗るように出ていこうとしたとき、後ろから肩をポンと叩かれる。


誰だろうと振り返ると、原田先輩であった。


「君が1年1組の…」


「き、桐山です…!よろしくお願いします…」


「うん、桐山さんね。よろしく。来週は遅れないように来てね」


「はい…!」


そう言って原田先輩も図書室を出ていき、私も続いて出た。


学年ごとに下駄箱の場所が違うため、先輩と歩いていく方向は正反対。1人になって息をはく。


さっきの会話が一番先輩との距離が近かった…。


素敵な先輩だと、憧れをもっていたためか、私の心臓がうるさい。


柴崎くんとのカウンター当番はとても不安だけど、先輩とのカウンター当番は楽しみだなぁ。


中学校ってすごい。先輩ってすごい。


なんて思いながら、いい気分で下駄箱へ向かった。